―初恋―

「ゆーーーーいーーーー」


大声であたしの名前を
叫ぶどっかの誰か(笑)が
駆け寄ってきた。


『さ、さくな!
どうしたのー?』


そう、あたしの名前を
大声で叫び勢いよく
駆け寄ってきたのは

テンションがいつもより
やけに高いさくなだった。



「ゆい、ちょー聞いてよ!!
日比野先生ったらねー
ベンチで居眠りしてるの!」



((あぁ、また先生の話しか))



このときのあたしは

大嫌いな日比野先生の
話しを聞かされて

かなリうんざりしていた

だからあたしは


『へーそうなんだ』


っと、素っ気なく
返事をしてしまった。


けどさすがはさくな。


あたしの素っ気ない態度に
全く動じずあたしの手を
勢いよく引っ張り


「だからさー!
起こしに行こうよ!!」


っと、訳の分からない事を
突然言いだし

あたしの手を引きながら
どこかに向かって
勢いよく走りだした。


『ちょ、さくな!!
どこ行くの!?』


「だからさっき
言ったじゃんかー!
って‥シッ!」

突然ピタっと止まり

慌てて木の後ろに
隠れだしたさくな。

『何?どうしたの?』

っと尋ねると

さくなは小声で

「そこに落ちてる
さくらの花びら集めて!」

っと言ってきた

何がなんだか
よく分からなかったけど

とりあえずさくなに
言われた通り

桜の花びらを集めた。

さくなも一生懸命
桜の花びらをかき集め

だいぶ花びらも溜まった


『ねぇ、コレどうするの?』

っと、疑問に思ったあたしは
さくなにそう尋ねると


「あのね!この花びらを
撒き散らして先生を
起こしてあげるの!
だからさ一緒にやろー♪」


っと言いだし

両手いっぱいに
花びらを集めた


本来のあたしなら
100%断るだろう。

だけどこの時のあたしは

((酷い撒き方をして
嫌な思いをさせてやろう))

と、最悪なことを
思いつき

さくなの意見に賛成した。

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