―初恋―
式が終わって
みんな自分のクラスに戻り
お喋リが始まった
「2組男の先生だったね〜」
『あぁ、うん
でも興味ないかなー』
あたしに話しかけたのは
さくなだった。
出席番号順に並んだ
席だったから
あたしとさくなは
前後の席だった。
「ゆいってさー
いつもは明るいし
面白いのに変な所で
冷めてるよね〜
男の先生なんて
超珍しいじゃん!」
「そうかなー・・?
てか先生なんて
興味ないよー
おっさんじゃんか」
「おっさん!!!」
さくなはどうやら
あの男の先生。
日比野崇士先生に
興味を持ったのか
やたらあの先生の
話しをしてきた
けどこのときの
あたしは
日比野竜麻君。
そう、あたしの
好きな人と
クラスが離れた
ショックの方が
大きかったからか
あの先生のことを
考えることは
1㎜もなかった。