ド天然娘としっかり幼馴染
「颯も食べる?」
「…どうせくれないんだろ」
「うん。バレた?」
「そんなもん分かるに決まってるだろ」
はぁ。
何て幸せなんだ…
こんなに美味しいものが世の中にあっただなんて…
このあたしにまだ知らない食べ物があっただなんて…
信じられない……
「早く食べろよ。俺、この後塾なんだよ」
「先に帰ってていいよ」
「…そんなあっさり言うなよ。結構傷づく…」
「塾なんでしょ?なら、先に帰っていいよ。あたしまだショコラちゃんが残ってるから」
「残ってるからって後一口じゃねぇか」
「後の一口はゆっくりと―――…ふぉっ!」
「早く食え」
そう言って颯があたしの口に無理やり残りのショコラちゃんをいれた。
「行くぞ」
あたしは颯に手を引かれて店を後にした。
「颯の馬鹿」
「何でだよ」
「最後の一口ゆっくり食べようと思ったのに…」