先生、大好き
ドアを開けると教室にいた生徒達が私をみた。
「湊、おはよう」
「ルウ君!おはよう」
私に声をかけてくれたのは微笑んでいるルウ君だった。
ルウ君の微笑んでいる顔は梓煕先生にそっくり。
そんなルウ君の後ろには‥沁司君が泣きそうな顔をして隠れるように立っていた。
「沁司君、おはよう」
「え‥あ、おはよ!!」
「私もう気にしてないから!」
「‥ほんと?」
「うん!!」
沁司君の顔が明るくなった。
そして「改めてよろしくな!!」と沁司君は笑って言った。
「なーんだ、アイツ学校辞めたんじゃなかったんだー」
「アタシも辞めたと思ってたー!」
私に聞こえるくらい大きな声で言ったのは私を虐めていた女の子達だった。
「湊‥気にするな」
ルウ君が女の子達を睨みながら私に言った。
だけど私は前のように胸が苦しくなったりしなかった。
「私は大丈夫だよ」
「‥?」
ルウ君は首を傾げていた。
「私は前の私とは違う。虐めなんか怖くない」
「…マジ大丈夫?」
私が笑って頷くと「そっか」とルウ君も笑った。