先生、大好き


鈴野さんは女の子達の言葉にフッと笑った。


「虐めたくなかった?笑わせないでよ。アンタさっき言ったじゃない『協力するから』って」

「そんなの嘘に決まってるじゃない」

「は?」

「みんなね、鈴野がいないときに湊のことを話し合ったの。梓煕先生がいない今、湊がまた虐めの対象になるのはわかってたから」


女の子達はお互いを見合い言葉を続けた。


「みんな同じだった。鈴野が怖くて逆らったら自分が虐められるんじゃないかって思ってた」

「当たり前よ‥アタシを裏切った奴は湊のときみたいにしてやる…」

鈴野さんは下唇を噛んだ。

「でもウチら気づいたの。クラス全員‥鈴野に怯えて湊を虐めてたんだって」

「気づいたらさ、鈴野‥アンタに味方してる奴いなかったのよ」


鈴野さんは「は?」と全員を睨みつけた。
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