先生、大好き
「私がね‥転んでケガしたとき『アンタ小学生?』っていつもの口調で言って手を差し出してくれたとき‥すごく嬉しかった。私が彼氏に振られて泣いてたら何も言わずにずっと側にいてくれた‥私はそんな鈴野のが大好きだったよ」
女の子は「だけど‥湊を傷つける鈴野が嫌いだった」それだけ言うと泣き出した。
鈴野さんは俯いていた。
「アタシ達だって、鈴野が嫌いだったわけじゃない。ただ、湊を傷つけるアンタが許せなかった」
「そして自分が許せなかった」
「止めてあげられなかった私達が‥許せなかった」
みんなは私を見て「ごめんなさい」と言った。
そしてまた女の子が口を開いた。
「湊‥今更だけど‥ごめんなさい。許されるなんて思ってないよ。だけど‥鈴野のことは許してくれないかな‥?」
「‥鈴野さんを?」
「うん」