先生、大好き


「湊」

不意に声をかけられた。

顔を見なくても声だけで分かる。

「どうしたの?ルウ君」


私に話しかけたルウ君は「ちょっといい?」と私に聞いてきた。

いつもならその場で言うのに今日は教室から出てと言っているようだった。

私はルウと中庭に来た。

「何か用事?」

私が聞くとルウ君は口を開いた。


「湊さ、部活してなかっただろ?梓煕兄ちゃんがお菓子部に入らないかって」

「…お菓子部?」

「うん」

「……そんな部あったの?」

私はそんな部があるなんて初めて知った。

ルウ君は「あったよ」と笑いながら言う。

「お菓子部ってのは入りたくても入れない部なんだよ」

「え‥どうして?」

私は首を傾げた。

部活なのに、なんで?

部員が多いから?
人間関係?
それとも部費が問題?

私が1人で考えているとルウ君が口を開いた。
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