先生、大好き


「お菓子部は顧問が選んだ人しか入れないんだよ」

「‥えっ!?」


私は声をあげた。

顧問が選んだ人しか入れない‥あまりうちの学校では聞かない。

基本的に見学さえすれば、自由に入部できる。


「で、その顧問が梓煕兄ちゃん」

「梓煕先生が…顧問‥?」

ルウ君は「うん」と言うと「意外だろ?」と笑いながら付け足した。


「それでな、梓煕兄ちゃんが湊を入部させたいって言ってるんだ」

「えっ‥私を?」

「うん。暇ならさ、今日見学にでも行ってやってくれないかな?」

「…わかった」


私が言うとルウ君は微笑んで「ありがとう」と言い教室に戻って行った。


ルウ君の微笑んだ顔は‥梓煕先生にそっくりだった。
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