先生、大好き


だけど先生は何時間立っても‥目を覚まさない。

お医者さんは何度も見に来てくれている。

何度も先生の名前を呼び「生きなさい」と何度も何度も繰り返していた。


「湊」

「‥ルウ‥くんっ…」

「…もう直ぐ母さんが来る‥梓煕兄ちゃんのこと伝えたから」

「‥っごめん‥っなさい…」

「なんで湊が謝るの‥?」


ルウ君は優しく私の頭を撫でた。


「私‥っ‥せんせ…守って‥あげれなかった…っ」


泣く私にルウ君は優しく優しく‥抱きしめてくれた。

そして「湊は悪くない。兄ちゃんなら‥大丈夫だから」と自分もいっぱいいっぱいのはずなのに‥私の頭を撫でてくれた。
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