先生、大好き
「大丈夫か?」
大馳君が椅子に座って私を心配そうに見つめていた。
「大丈夫だよ」
「‥痛くないか?」
「大丈夫」
大馳君はなぜか凄く泣き出してしまいそうな瞳をしていた。
少しだけ大馳君の目尻に涙があった。
「‥泣いたの?」
大馳君は小さく頷いた。
そして「梓煕先生も‥姫羅も‥助けてやれなかった」と言うと大馳君は俯いた。
大馳君は悪くないのに‥
私はそっと大馳君を抱きしめた。
赤ちゃんをあやすように優しく優しく優しく‥頭を撫でた。