先生、大好き
命の光-梓煕side-
俺は重たい瞳を開けた。
目の前に広がっている世界は‥全てが真っ白で色のないものだった。
「‥ここは俺のいた世界じゃないな」
俺は多分まだ意識が戻っていない。
何があったのかも‥あまり覚えていない。
だが、湊が俺を見て泣いているのが分かった。
「アイツは泣き虫だからな‥」
「姫羅ちゃんは泣き虫だよ」
「あ?」
俺はいきなり聞こえた声に辺りを見回した。
そこには一匹の犬がいた。
「‥お前がしゃべったのか?」
「うん」
「ふーん。名前は?」
俺は犬に近づき犬の頭を撫でた。
犬は気持ちよさそうに瞳を閉じると口を開いた。