先生、大好き


俺は迷った。

湊の元に戻りたい。

だが、湊の大切にしている犬を‥戻してやりたい。

俺が悩んでいると、リアが俺の手を握った。


「迷わないで。子犬くんだって‥戻りたいの。でもね、今戻らないといけないのは‥梓煕くんなの。子犬くんの思いを無駄にしてはダメ」


リアは強く俺の手を握った。

そしてそのまま走り出した。


暫くすると扉の前にいる犬をみつけた。

扉は近いように見えたが、意外に遠くにあった。


犬は俺に言う。


「姫羅ちゃんをお願い」


それだけ言うと、犬は鍵を扉にかざした。
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