先生、大好き
「磨緒」
立ち上がった如月さんを低い声が呼び止めた。
如月さんは振り返る。
「‥お父様」
「このバカ娘が。神楽さん」
「お久しぶりです。如月さん」
「久しぶり…今回は本当に申し訳ない」
如月さんのお父さんはお母さんに頭を下げた。
お母さんは「顔を上げて下さい」と言う言葉に顔を上げた如月さんのお父さんは‥凄く悲しい顔をしていた。
「先程、息子から連絡がきていました。梓煕が目を覚ましたと」
「先生がっ!?」
「もう大丈夫よ、姫羅ちゃん」
「っ‥うぅ…よかった…っ」
私は瞳から沢山の涙が溢れ出した。
先生が目覚めなかった1ヶ月、私は沢山泣いた。
毎日泣かないように頑張ろうとしても‥涙は止め処なく溢れ出た。
そのたびに、みんなが私を支えてくれた。
早く‥先生に逢いたい…