先生、大好き


「磨緒。お前はなぜ神楽さんのご子息を傷つけた」


お父さんの問いに如月さんはフッと笑った。


「欲しいからですわ」

「欲しい?」

「えぇ。お父様、私は梓煕様が欲しいの。あんなに綺麗でカッコいい方はいらっしゃらないわ」


如月さんはそう言うと私をみた。

そしてまた口を開いた。


「梓煕様に相応しいのは私だと思うの。なのに湊さんが梓煕様の隣にいる。だから湊さんが梓煕様から離れるように、梓煕様を傷つけたのよ」

「なんで‥‥なんで先生を傷つけるの!?私にしたらいいのにっ!!」

「嫌よ。私はあなたの悲しむ姿と梓煕様の辛そうな顔が見たかったんだもの」


如月さんの言葉にお父さんが如月さんの顔を叩いた。
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