先生、大好き
そこには息を切らした先生と大馳君が立っていた。
先生は私の方に走ってきて、私を強く抱き寄せた。
「姫羅‥」
「…せんせ?」
「あぁ。ごめんな」
「っ!‥せんせっ!!!」
私は腕を先生の背中に回し泣いた。
先生は優しく私の頭を撫でてくれた。
「梓煕‥っ」
「ただいま‥母さん」
「このバカ息子っ!!…っおかえり」
お母さんはそれだけ言うと静かに泣いた。
「梓煕君…家の娘がすまない」
「もう大丈夫ですから」
「だが娘は‥‥雫君を振り向かせるために君を傷つけたんだ」
「分かっていましたよ」
先生の言葉に私は顔を上げた。
そして如月さんとお父さんを見ると、2人とも驚いていた。