先生、大好き


「姫羅です。ご指名ありがとうございます」

「‥座って」

「失礼します」


私は言われた通りにお客様の隣に座った。


「‥俺のこと分かる?」

「え‥あの…どこかでお会いしましたか?」

「君が高校生になってからは逢ってないよ」

「‥え?」


私は訳が分からず首を傾げた。

するとお客様はフッと笑って前髪をかき上げた。


「亜姫(アキ)。これだけ言ったら分かるかな?」

「もしかして‥「お客様、時間になりましたので‥」


私が言おうとしたときルウ君がきて時間を知らせた。

お客様は「ありゃー‥」と残念そうに前髪を下ろし席から立ち上がった。


「明日も来るからね、姫羅ちゃん」

「あ‥はい」


お客様は笑顔で手を振りながら去って行った。
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