先生、大好き


「姫羅先輩」

「なに?」


私に話しかけてきたのは楓ちゃんだった。

楓ちゃんは私に綺麗に包装されている箱を差し出した。


「え…」

「私からのプレゼントです!!」

「‥ありがとう!!開けてもいい?」

「はい!!」


楓ちゃんは顔を少し赤くして笑った。

私は箱を丁寧に開けた。

箱の中には‥可愛い時計が入っていた。


「楓ちゃん‥」

「…私は優しくて可愛い姫羅先輩が大好きです!!‥でも、姫羅先輩は梓煕先生のところに行っちゃうから‥」

「‥楓ちゃん…」

「だから‥せめて、覚えてて…ほし‥いから‥っ」


楓ちゃんはそれだけ言うと泣き出した。

私は優しく楓ちゃんを抱きしめた。


「ありがとう‥」


楓ちゃんは暫くの間、泣いていた。
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