先生、大好き
「‥恨んでいないと言えば嘘になるがな」
親父さんは手にしていた写真を持ってきた。
「もう1人の娘だ」
「‥姫樺さん‥ですか」
「よくわかったな」
「さっき、奥さんが言われていたので‥」
親父さんは「そうか」と言い、また話し出した。
「姫羅の姉だ」
「似ていますね」
「あぁ。もう死んでいるがな」
「え‥」
「姫羅を庇って死んだんだ」
親父さんは悲しそうな顔で写真を見ていた。
「まぁ‥この話は私の気が向いたときにでも話してやろう」
「はぁ‥」
親父さんはソファーに座り「話がずれたな」と言ってまた口を開いた。