先生、大好き
「‥なんなんだアイツは」
親父さんは少し照れているようだった。
「私は姫羅を甘やかす気はない。頼むぞ、梓煕君」
「はい」
「姫羅の部屋は二階の一番奧だ」
親父さんは一口またお茶を飲んでからどこかへ行った。
俺はお袋に挨拶をし、姫羅の部屋へ向かった。
扉を叩くと私服姿の姫羅が出てきた。
「終わりましたか?」
身長差のせいで姫羅は俺を上目遣いで見ていた。
多分、本人は何も考えていないだろうな‥
「先生?」
首を傾げている姫羅が、いつもより可愛く見えた。
俺が「終わったよ」と言うと姫羅は微笑んだ。