先生、大好き


「糞大馳。姫羅姫羅うぜぇ」

先生がしかめっ面で大馳君に言う。

だけど大馳君はそんな先生を完全無視。


「姫羅ー‥俺のこと嫌い…?」


大馳君は瞳を潤ませていた。

なんだか大馳君が捨てられた子犬のように見えた。


「っ‥そうじゃないけど…」

「っ…姫羅‥」

「えっ‥!?」


大馳君の瞳から大粒の涙が溢れ出た。

潤んでいた瞳が更にウルウルしている。

そんな大馳君を見て私があたふたしていると、栗栖さんが優しく囁いた。


「泣き真似上手くなったね」


栗栖さんの言葉に大馳君を見た。

大馳君は「糞兄貴‥」としかめっ面で言った。


「大馳君‥泣き真似…だったの?」

「うん」


大馳君は『べーっ』と舌を出した。
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