先生、大好き


私がほっぺたを膨らませていると大馳君が先生に言った。


「いつか‥上の奴らにバレるぞ」

先生は大馳君の言葉を聞いて少しだけ口元を上げた。

「上の奴らにバレたとしても俺はコイツを守る」

「‥あっそ」


大馳君は溜め息をつき先生を見る。


「姫羅を泣かせたら‥奪う」

「泣かせない」


「自意識過剰」と大馳君が言うと私の隣にいた栗栖さんが「大馳はお人好し」とクスクス笑っていた。


「姫羅、俺お前奪うから。でもその前にお前らのこと守から」

「そうですね。奪う前に湊さん達の将来を守りますよ」


2人はフッと笑った。


「ありがとう‥!」


私が笑顔で言うと2人も笑顔で頷いた。


「認めたくはないが、コイツらの湊にたいする愛だ。何かあったら俺かコイツらに言うんだぞ」

「はい‥」


先生は微笑み私を抱きしめた。

そして‥私の耳元で「守るから」と囁いた。
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