先生、大好き
「関わったことあるのか?そのビター姫とやらとは」
先生は面倒くさいというような顔をしながら私に尋ねた。
「‥ないです」
「‥」
先生は「どうしたものか」と溜め息をついた。
「でも‥どうしてビター姫が主犯格って‥わかったんですか?」
「聞いた」
「え?」
私が大馳君を見つめると大馳君は溜め息をつき話し始めた。
「アンタらのことを知ってる奴に誰に聞いたのか聞いたんだ。そしたらほとんどの奴がこの女を指差したんだ」
「その時ビター姫って言われなかったの‥?」
「闇姫って言ってた」
「闇姫…」
私が言うと栗栖さんが「もう一つの通り名です」と付け足した。
「そん時に丁度そのビター姫と話して奴が出てきたから何話したのか聞いた。そしたら『梓煕先生と湊さんって人が付き合ってるって言われた』って言ったんだ」
大馳君は付け足すように「そいつにはちゃんと口止めしたから」と言った。