先生、大好き


「関わったことあるのか?そのビター姫とやらとは」


先生は面倒くさいというような顔をしながら私に尋ねた。


「‥ないです」

「‥」


先生は「どうしたものか」と溜め息をついた。


「でも‥どうしてビター姫が主犯格って‥わかったんですか?」

「聞いた」

「え?」


私が大馳君を見つめると大馳君は溜め息をつき話し始めた。


「アンタらのことを知ってる奴に誰に聞いたのか聞いたんだ。そしたらほとんどの奴がこの女を指差したんだ」

「その時ビター姫って言われなかったの‥?」

「闇姫って言ってた」

「闇姫…」


私が言うと栗栖さんが「もう一つの通り名です」と付け足した。


「そん時に丁度そのビター姫と話して奴が出てきたから何話したのか聞いた。そしたら『梓煕先生と湊さんって人が付き合ってるって言われた』って言ったんだ」


大馳君は付け足すように「そいつにはちゃんと口止めしたから」と言った。
< 50 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop