先生、大好き


先生は一瞬驚いていたけどすぐに頭を撫でてくれた。


「はぁ…ほんとアンタら大胆だよな」

「大馳…、まぁ周りを確認してからそういうことはした方がいいですよ」


呆れている大馳君を栗栖さんがなだめながら優しく私たちに言った。


「お前等がいるから問題ないだろ」


先生は当たり前のように言う。

大馳君は「意味わかんね」と言いながら机に片肘をついた。


「蒼空、大馳」

「あ?」

「はい?」


先生がいきなり2人の名前を呼んだ。


「俺は明日ビター姫とやらに近づく」

「マジかよ‥」

「…」

「はっきり言って俺1人では行きたくない。ビター姫とやらは俺の中では嫌いな部類だから」


先生の言葉に大馳君は「いやな予感…」と身震いしていた。

栗栖さんはそんな大馳君に「たぶん当たりますよ」と笑っていた。


「お前等にも付いてきてもらう」

「いやだ」

「大馳、当たりましたね」


大馳君は先生と栗栖さんを睨んだ。
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