先生、大好き


「私と付き合って」


ビター姫の言葉に驚いている俺に蒼空が「予想通りの答えですよ」と笑って言う。


「断る」

「バラしますよ?」

「お前と付き合ってもコイツらがバラすぞ」


梓煕先生は無表情で俺達を指差した。

だけどビター姫はフッと笑った。


「バラしてどうぞ?私は別に困りませんから」

「は?」

「センセー理解できないって顔ですね」

「お前は何がしたいんだ」


ビター姫はまた笑い出した。

そして「決まってるじゃないですか」と微笑み言う。


「湊さんを消したいんです」


俺達3人は固まった。

こんな言葉をコイツは笑いながら言った。

梓煕先生と姫羅を『別れさせたい』じゃなくて『姫羅を消したい』だ。

俺はコイツの言っていることが理解できなかった。
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