先生、大好き
「ルウ、あんたも虐められたいの?」
茶髪の女の子が言った。
囁くような、脅すような声で。
ルウ君が何かを言おうとしたとき
「誰を虐めるんだ?」
と言う低い声が響いた。
「っ‥!!‥梓煕先生!?」
茶髪の女の子が声をあげた。
そこにいたのは背の高い男の人だった。
私でも知っている‥この人は学校内で一番人気のある先生。
「で?誰を虐めるんだ?」
梓煕先生は低い声で女の子に言う。
誰もが怖いと感じてしまうくらいの微笑みを浮かべて‥
「え…あっ‥冗談ですよーっ!」
女の子は慌てて訂正すると教室を出て行った。