先生、大好き


「大馳!!!」

俺を呼ぶ蒼空の声がした。

立ち止まり振り返ると蒼空が走ってきた。


「1人より2人の方がいいと思うけど?」


蒼空の優しくデカい手が俺の頭を撫でる。


「行こう。湊さんを助けないと」

「あぁ」

「走るぞ」


俺は蒼空の言葉に頷きまた走り出した。

俺達2人にとっても‥梓煕先生にとっても湊は大切な女の子だ。

何があっても‥助けてみせる!!


「きゃーーーっ」


不意に女の子の叫び声がした。

俺が蒼空を見ると蒼空は今までに見たことのないくらい怖く冷たい瞳をしていた。


「‥湊さんの悲鳴だ」

「っ!?」

「大馳‥お前は湊さんを助けろ。俺は湊さんに手だした奴を消す…」


俺はびびった。

こんなにも顔を歪めている蒼空を見たのは初めてだったから。
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