先生、大好き


「湊さん座って下さい」

「‥はい」

私は先生の言うとおりに椅子に座った。

保健室独特な匂いになぜか落ち着いた。


「お前いつも虐められてるだろ」

「‥‥え」

先生は私を見る。
さっきまでとは違う先生。
笑顔がなく、冷たい瞳で私を見る。

私は戸惑っていた。

今までに見たことのない、梓煕先生に。


「答えろ。虐められてたのか?」

「……はい」


梓煕先生は「そう」と言って手当てを始めた。


「っ!!」

消毒液が、じわりと傷口に広がる。
私は痛みに耐えられず顔を歪めた。

不意に梓煕先生が言う。

「‥いいね…。その表情」
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