先生、大好き


「罰は2人で…受けよう‥?」

「‥あぁ」


先生は強く私を抱きしめた。

もしかしたら最後かもしれない…先生とこうやって触れあうことも‥ないかもしれないから…


「理事長」

「‥もう処分は決まっている。湊さんは二週間の停学だ」

「え‥それだけ…?」

「今のところわな。神楽君、君には違う学校へ行ってもらう」

「…はい」


私はショックだった。

自分はたった二週間の停学なのに‥先生はこの学校を辞めて違う学校へ行かなければならない…

私は足の力が抜け、冷たい床に崩れ落ちた。


「湊‥」

「いや…っ‥先生がいないなんて‥やだっ!」

「‥逢おうと思えば逢えるだろ?メールも電話もしたらいい」

「っ‥やだ…」

「湊‥仕方ないことだ」


私が泣き出すと先生はソッと抱きしめてくれた。

そんな私を見た理事長が口を開いた。


「先生を守りたいのなら、ちゃんと受け止めなさい」

「っ‥」

「君が先生を守るには‥まだ力が足りない。側にいたい気持ちは分かる。だがな、これを受け止めて乗り越えなければ…君は先生を守れない」


理事長は「わかるね?」と優しく言った。
< 81 / 256 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop