先生、大好き
「大馳君!?」
大馳君は「よっ」と微笑んだ。
「どうして大馳君が‥」
「頼まれたから」
「頼まれた‥?」
「梓煕先生に」
「え!?」
大馳君は「とりあえず行こうぜ」と歩き出した。
「あ、うん!」
「昨日ね、梓煕先生から電話きたんだ」
「メールじゃなくて電話?」
「うん。『湊が泣かないように、虐められないように俺の代わりに守ってくれる』って」
「先生が‥」
私は自分の首につけているネックレスに触れた。
「大丈夫か?」
「え?」
「梓煕先生がいない今、学校に行ったら確実に虐められるぞ?」
大馳君は心配そうに私を見ていた。
私がフフッと笑うと、綺麗な顔を大馳君は少し歪めた。
「私は大丈夫!!先生に沢山の愛を貰ったから!」
私が笑顔で言うと大馳君は「ノロケかよ」と呆れていた。