臆病姫と白馬の王子
プルルルルプルルルル
ケータイが鳴った。電話帳に登録されてない番号だったけど、私は電話に出た。
「もしもし!?」
「もしもし。倉井愛実さんのケータイですか?」
知らない男の人の声だった。
「お願いです!助けてください!」
「えっ?今どこにいるの?」
私はあたりを見た。けどどこだか分からなかった。
「分かりません。薄暗くて、広い所です!」
「他に特徴は・・・」
ガチャン
電話が切れた。
「タスケヲモトメテモムダダヨ。」
そう言ってまた襲いかかってきた。
「ズットヨケツズケルツモリ?ソウナガクハモタナイヨ。」
逃げ続ける私だったが、壁まで追い詰められてしまった。
もう終わりなんだなぁ・・・。
今までの思い出がよみがえってきた。
もっと長く生きたかったな・・・恋したかったな・・・
みんなありがとう・・・
「ジャアバイバイマナミチャン。」
ゆっくりとナイフが私に近づいてきた。
私の人生の幕が閉じようとしていた。
私は目を閉じた。
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