悪魔にKISS
「なんで?」
「人に頼むとかありえない。だったら、自分で来ればいいじゃん!」
吸い込まれそうな瞳をあたしも見つめる。
「やっぱ、想像通り」とフッと笑った。
なにさ、後輩のくせに。
バカにしあがって!!
いつか、バチがあたるし。
「じゃぁ、その友達にそう言っときます。んじゃ、またね。先輩」
と、手を振る木下を呼び止めた。
「授業サボって大丈夫なの?」
「案外、心配してくれるんだね。大丈夫、いつもサボってるから」
そう言い残し屋上を出ていった。
「ふっ、へんなの」
誰も、いない屋上にそっと呟いた。