トライアングル
「あ、じゃあ二人でかき氷買ってきていいよ。
私達は金魚すくいに行ってくるから」
私は、そろそろ知里と竜斗君を二人っきりにしなきゃと思い、言った。
「え?別行動って事?」
知里が言う。
「まぁ、そうだね。
もうそろそろ花火だって始まるし。
二人で行って来て?」
私が気を利かせた気で言うと、知里がえっ、でも。
と言った。
きっと、四人で行けばいいじゃん?くらい思ったんだろう。
「うちは別に――」
「そっか!わかったよ。
じゃ、また今度な」
知里が何かを言おうとした時、竜斗君がそれを遮るかのように言った。
ははぁーん。
竜斗君、別行動したかったんだね。
「えっ―?で、でも――」
「いーから♪―――――」
今度は私が遮り、知里の耳元で“優也と二人になりたいし”と嘘をついた。
そう。
嘘だよ?