トライアングル


「あ、じゃあ二人でかき氷買ってきていいよ。
私達は金魚すくいに行ってくるから」


私は、そろそろ知里と竜斗君を二人っきりにしなきゃと思い、言った。


「え?別行動って事?」


知里が言う。


「まぁ、そうだね。
もうそろそろ花火だって始まるし。
二人で行って来て?」


私が気を利かせた気で言うと、知里がえっ、でも。
と言った。

きっと、四人で行けばいいじゃん?くらい思ったんだろう。


「うちは別に――」


「そっか!わかったよ。
じゃ、また今度な」


知里が何かを言おうとした時、竜斗君がそれを遮るかのように言った。



ははぁーん。
竜斗君、別行動したかったんだね。


「えっ―?で、でも――」

「いーから♪―――――」

今度は私が遮り、知里の耳元で“優也と二人になりたいし”と嘘をついた。


そう。
嘘だよ?

< 216 / 295 >

この作品をシェア

pagetop