トライアングル

知里はそれで納得したらしく、わかったよ。
そう言った。


「じゃ、真由ちゃん♪
金魚すくいイコ?」


「あ、うん!」


優也に促され、知里達とお別れしようとした時
ふと意外なものが視界に入ったような気がした。


違うよね?
まさか………


そう思いながらも、その方を見ると………

えっ!?
やっぱり、そこには―――

「きみかっ!?」


えっ!?と知里も言い振り向いた。


なんとそこには、オレンジ色の可愛らしい浴衣を着た公香と、すっごく格好いい……って言葉じゃ表せきれない程、顔の整った男子がいた。


あれ……例の公香が好きな人だ。絶対。


「きみかっ!」


私は大声で叫んだ。


公香がキョロキョロと声の主を辿り、私と目が合った。

バッと目を見開き、驚いた様子を見せた後、今まで見たことのないほど公香の顔が真っ赤に染まった。



< 217 / 295 >

この作品をシェア

pagetop