トライアングル


「あぁー楽しかったぁ。
真由ちゃんとデートできてオレ、嬉しかったよ。
ありがとね」


優也はやっぱり、可愛い笑顔で言った。


優也はそうやって、いつも恥ずかしいことを簡単に言うんだ。


今は、花火も終わって家に帰る途中。
家まで送ってってくれてる。


「私もっ――楽しかったよ」


私は勇気を振り絞って、言った。


そしたら、優也からなんの応答もないんだ。

不思議に思って、優也の顔を見上げると私はびっくりした。


優也の顔が真っ赤なんだもん。
え、なんで!?
って思って、聞いたら


「オレにも分かんない」


だってさ。

二人で可笑しくて笑ったんだ。

なんか、いいね。
こうゆうの。
ずっと、続いて欲しいな。
って思ったんだ。
だけど……そんな願いはほんの数分後に崩れ落ちたんだ。







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