先生という名の愛しき人へ
「あの、先生。
実は、
私、先生のこと」
「言うな」
「えっ!?」
「これ以上、言うな」
「......」
言うな?
これ以上?
先生、私が言いたいこと、
全部知ってたの?
「いいか、伊藤。
俺は教師で、お前は生徒だ。
でも、お前が卒業すれば、
お前は俺の、
教え子ってことになる」
「はい」
「今はやめておけ。
もう少し、待つんだ。
必ず、待ってるから。
ゆっくり、成長していけよ。
見守ってるから。
お前は、いい子だから、
分かるな?」
「...はい」