先生という名の愛しき人へ

先生は、私達の教室の近くで、

生徒に『さようなら』って

挨拶していた。




「先生ー!!」


元気に呼んでみる。

先生はすぐに気付いて、

私の近くに来た。



「....伊藤!お疲れ様」

「先生こそ、お疲れ様です」

「ああ、ありがとう」


先生はそう言って、

私を廊下の隅っこに連れていった。



「それでさ、夏休みの件だけど、
いつなら大丈夫?」


あーそうでした。

夏休みの個人授業でした。


「私は、お昼なら、
いつでも大丈夫です。

塾は夜ですから」

「そうか。

じゃあ、8月1日においで。
お昼頃に、そのまま理科室ね」

「了解です」



なんか......

二人だけの秘密って感じで、

妙に緊張する。


















< 54 / 72 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop