Last Wing. "上"
「あ、あのぉ~、こ、これは、夢なのでしょうか‥?」
ぎゃあぁああぁぁあ!!
なんつー情けない言い方!!
それに質問の仕方!!
皆の笑いものになるっての!!
ま、いいや。
今は夢か夢じゃないか知りたいだけだし。
彼は少し口を開いた。
そして低い声でこう答えた。
「これは現実だ。夢なはずなかろう」
と‥‥。
ってことはつまり‥夢じゃ、ない??
……えぇええぇえぇぇえ?!!
ちょちょちょちょっと待ってよ!!
じゃあこれどうなるの?!
あんなあっさり言われても困るから!!
「落ち着け。これは私の魔法(ちから)だ」
真顔で冷静で低い声であっさりと答えられてしまった。
なんか、泣けるんだけど‥。
って、ちから?
という事は、どこかの魔導士か?
全く分からない‥。
てか、なんでこんな弱い僕が巻き込まれなきゃならないの?
まずそこからだよね。
「貴様の心の叫びがだだ漏れだぞ」
むっかー!!
もう我慢ならない!!
「おい!人の心覗くの辞めてくれないかな?!つか僕を巻き込むな!!早くなんとかしろっ!!」
「そうだ、もっと怒れ」
‥この魔導士は変態かあぁああぁあ!!!