ただ君が好きで
朝から降り続ける雨が、ようやく止み始めた頃…。
「雪菜ーっ雨上がりだから滑って転ぶなよっ」
「あたしそんなドジじゃないもん!」
「いや、雪菜に水たまりは大敵だからな…」
「…優太、あたしをばかにしてる?」
ようやく放課後。
「んーうま♥♥」
あたしと優太はコンビニに立ち寄ってアイスを食べていた。
海斗は部活で遅いし…ということで今日になった。
まぁ…季節外れのアイスも、なかなか悪くないね、うん。
けど、さすがに2つも食べると寒くなるっていうか…。
「ん」
優太はあたしにホットココアを差し出した。
「えっ、いつのまに買いに行ったの?」
「お前が美味そうにアイス食べてる時。2つも食べると冷えるだろ?」
だからホットココアなんだね。
優太は隣に座って、コーヒーを飲む。
「ありがと…」
優太って、あたしが知ってる以上に優しい人だったんだ…。
ちょっと感動を覚える。
…そういえば
「ってか何でコーヒー2つにしなかったの?」
なんとなく気になった。
渡されたココアを見つめる。
思い出すのは海斗のこと。