ただ君が好きで
あたしは海斗が
好きなのに…。
優太が頭から離れない。
それはきっと
優太の優しさに気づいてしまったから。
当たり前に過ごしてたから
ずっと気付かなかった。
いつも一緒に歩く時、
優太は必ず車道側を歩いてたね…。
歩くの早い優太が、
いつもあたしにスピード合わせてくれてたんだね。
さっきの帰り道だって
本当は気付いてた。
昔から水たまりで、よく転けて濡れるあたしを見てきたから
遠回りでも
電気がたくさんあって明るい道を選んでくれたんだ。
優太…。
あなたはあたしの気付かないところで
たくさん、あたしに気を遣ってくれてたんだね…。
思い返せばたくさんある。
昔から…。
あの時も、あの時も。
何で今まで気付かなかったのかな…
あたしは
本当にばかだ。