奪愛-DATSUAI-
「やめろよ!」


「イライラしたからって殴りあうのはよくないと思うぜ」


繁正が慧の両肩に手をまわし、和輝が秀二の両肩に手をまわし、殴り合いを止めた。



すると、秀二はそれを無理矢理振り払い、帰ると言って隠れ場所をでていった。


「そうだな・・・ここに居ても仕方ないし俺らも帰るか。親から連絡がないってことはサツも鎮まってんだろ」



繁正がそう言うと、和輝も慧も隠れ場所から出ようと歩き出した。


和輝は翔が動かないのを見て、どうした?と聞いた。



「先行ってろ」


そう吐き捨てて真っ暗闇の夜空の星に囲まれた月を見上げた。
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