奪愛-DATSUAI-

結局、うしろには左から繁正、慧、翔、千恵、亜紀、秀二、和輝と並んだ。



担任が教卓の前に戻ってもクラスの皆はうしろをチラチラと見ていた。




「はいはい皆前を向け。これから仲良くするように！」



それからホームルームは終わり、休憩時間に入った。


担任が教室から出ようとドアに向かうが、ここのクラスの前の廊下は人ごみでいっぱいになっていた。



通して、通してと言いながら担任は人ごみの中に消えていった。


こんなにも早く転校生がいるという情報が伝わるなんて･･･。



「俺たち超人気者！可愛い子いるかなー！」


秀二はさっそくおでこに手をあてて廊下の人をあっちこっち見ていた。


「なんでよりによってあんなやつがうちの隣･･･」



亜紀は席から立たず、頭を抱えてブツブツと文句を言っていた。