奪愛-DATSUAI-
「喧嘩か・・・?」

「喧嘩だろ・・・」


まわりが口々にそう言いはじめた。



「とりあえず・・・ごうれーい!」


「気をつけ!れーい!」


休憩時間に入った。


廊下では文也がたくさんの男子に囲まれながら歩いていた。



「ほんとだぜ!俺は成み・・・いや、翔に気に入られたんだ!」


文也が自慢げに親指で自分を指しながら言った。


近くにいる男子は「すげーすげー」と口にするばかりだった。


翔や千恵たちのクラス、


2年A組の看板の前で文也は一度立ち止まり、



深呼吸をしてA組の教室に入った。

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