奪愛-DATSUAI-
秘密の話
ばっしゃー!!!


あたしは反射的に目をつぶって唇を口の中に入れていた。



雨なのにも関わらず車が猛スピードで走ったせいで勢いよく水がとび、きれいに千恵の全身を包み込んでいた。


千恵はしばらくその状態で固まっていた。



「・・・・・・千恵・・・」



ぱしゃ


千恵は自分のすぐ近くでその音が聞こえて目を見開いた。



翔が腹を抱えて必死に笑いを堪えている。


「ちょ・・・ちょっと何撮ってんのよ!」



「おまえの顔・・・・・・・・おもろすぎ・・・・」


肩をひくひくさせながら声を絞り出す翔。
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