奪愛-DATSUAI-
「はっくしゅ!」


「千恵~、風邪ひくなよ~?」



亜紀が慌てながら千恵の顔をのぞく。



「わっ!」


突然目の前に温かいものが被さってきた。



ふわっとしたいい匂いが心を温めてくれる。



手に取ってみるとセーターだった。


ふと前を見ると翔がカッターシャツ姿で一人先々学校へ向かっている。




「いいとことられた・・・」


秀二がセーターを半分脱いでる状態で呟いた。



「とりあえず早く行って保健室で着替えな」


慧が優しく微笑む。
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