奪愛-DATSUAI-
「・・・・・・・・・え、でも翔君のセーターが濡れちゃう」


「ただでさえ今着ているセーターずぶ濡れなのに脱がないとほんと風邪ひくよ?


カッターでおっても透けちゃうでしょ!」


亜紀がまるでお母さんのように言う。



びっくりした。



翔君たちをずっと怖いイメージがあったのに彼らはこんなに優しかった。

あたしは濡れた自分のセーターを脱いで翔のセーターを着た。


まだ翔の体温の温もりが残っていた。



なんだいいとこあんじゃん♪


あたしは急いで登校して保健室に向かった。
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