奪愛-DATSUAI-
保健室でタオルやカッターシャツ、靴下などを借りた。



今日はあたしのせいで皆に迷惑かけたな・・・。


でも、おかげであたしの知らなかった彼らの優しさを知ることができた。



翔が何も言わず一人で先々歩いていた姿を思い出すと何故かにやけてしまった。

教室に戻ると亜紀がいち早く駆けつけてきた。



「大丈夫?熱なかった?!」


「うん、心配してくれてありがとう」



「ばかは風邪ひかないって言うもんな」


繁正が小さい子をからかうような口調で言った。



「ばかって何よ~」



あたしは口を尖らせた。


翔が席から立った。
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