奪愛-DATSUAI-
「ここ・・・」


「今頃気付いた?気付くの遅すぎるだろ」


慧は口に手を当て、クククと苦笑した。



「慧くん、授業は?!」


あたしはようやく全ての状況を理解して慌てて上半身を起こした。



「『慧』でいいよ、授業はサボった」


「え・・・」



「千恵ちゃんの看病をするからって理由付けてなっ!」


見たことのない満面の笑顔で慧は笑った。



「あ・・・なんかごめんね・・・?」
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