奪愛-DATSUAI-
教室に戻ると、慎がすぐにこっちを見た。


あたしは思わず目を逸らしてしまった。

慎が席から立ち上がってこっちに歩いてくる。


あたしは俯いたまま、ただ心臓がドキドキしていた。


目の前で慎の足が止まった。


「鼻血出たんだってな、


俺に惚れたか」



はぁっ?!

あたしは顔を上げて慎を強く睨みつけた。


そのまま自分の席まで歩いた。
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