あの日から~私たちの恋~
私を1回見てからゆっくり口を開いた。
「あいつさ、毎日綾瀬に挨拶するじゃん?あれってやっぱり迷惑?」
「迷惑というかなんで私なんかに毎日挨拶してくるのか不思議」
はっきり言えば迷惑だけど、そう言うわけにはいかない。
「あ~…それは…」
言いにくそうに下を向いてしまった。
やっぱりからかってるだけなんだろう。
「俺から聞いたって言わないでね!あいつさ、綾瀬のこと心配なんだって。いつも1人で、それに中学のこととかも聞いてるし」
「えっ!?どうして…」どうして南くんが私の心配なんかするの?
それに中学のことを知られているなんて…
「なんでかって言われると言えないんだよね…でも瞬矢は本気で心配してるんだ」
力強い声にこのことがホントなのがわかる。
「私は」
続きの言葉は悩んでる張本人の言葉に遮られた。
「なにやってんの?」
下から上ってくる。
「ちょっと話してたんだよ。な!綾瀬♪」
いつもの優しい笑顔で言う崎村くん。
「ちょっとって?お前りりに手出すなよ!!」
は!?なんで名前で呼ばれてんの!?
えっ?えっ?
「綾瀬が混乱してんぞ」崎村くんが私を見ている。
でも今はわけがわからない状況でいっぱいだ。
「あっ!!」
南くんは気まずそうに私を見て目をそらす。