彼氏のこと。





あたしはまた
空っぽになってしまった



時間だけが流れて
もう卒業式の前日



賢くんと連絡はとっていない



1.2年生で体育館に集まり
卒業式の装飾をしていると



3年生が何人か入ってきて
あたしの隣で作業していた先生に
受験の結果を話していた



そこには賢くんもいた



あたしは後ろを向いたけど
話は聞こえてきて
賢くんはちゃんと
志望校に合格したみたいだった



賢くんの喜ぶ顔が浮かぶ



引っ越しとか免許とか
これからのことを楽しそうに
話している賢くん



あたしを置いて
賢くんは順調に進んでくんだね



皮肉を呟いて
虚しくて笑えた



耐えられなくて
その場を離れた



賢くんはやっぱり
あたしを見ていなかった





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